「向こうにも足跡があるよー」
「……何だって?」
目をこらしてみると、
しかしどちらにしてもはじめに見つけた足跡通りを辿る事に決め、
歩きながらアルトはふと後ろが気になって振り返ってみた。
「ねぇ、何かネズミ増えてない?」
「んー、そう?」
声をかけられたエルディはあまり気にしている風もない。
「まあ、ただのネズミなのは分かったし大丈夫でしょ」
あっさり言うエルディにそれ以上何か言うとまたからかわれそうな
正面の扉を抜けると、そこはかなりの広さのある空間だった。
右側には大きな2枚合わせの扉が見えた。
「うわー、何か高そうな物がたくさんあるねー」
「ん、ちょっとごてごてし過ぎてるけどな」
「持って帰ったら高く売れるかな?」
魔晶石欲しさに目をキラキラさせているエルディに、
「……中にある物全部呪われてるかもよ?」
「それにこの建物はザイア神殿の管轄下にありますからねぇ、
アルトとバルニエが釘を差している間に、
足跡は正面扉の前で複数の物が入り乱れ、
どうするか少し迷ったものの、
その途中、レトが足元に小さくキラリと光る物を見つけた。
「……何だ?」
つまみ上げてみるとそれはレリーフの入った銀の指輪だった。
「うわ、これは……」
「やだけど、ちょっと見せて」
そうは言ったもののアルトは指輪を受け取ろうとはせず、
「これは信念のリングだね…魔法の品物だよ」
と、告げた。
「殺された魔法使いとやらの持ち物かもしれませんね」
「うーん、さすがにそこまではどうだか分からないけど……」
「一応、必要になるかもしれないから持って行くか?」
レトが言いながら指輪をポケットにしまい込もうとすると、
「あ、待って、じゃああたしそれ付けてくー!」
と、エルディが手を伸ばす。
「いや、付けてくって……血が付いてるぞ?」
「うん、でも魔法の効果には影響ないでしょ?」
「いや、ないだろうけど、でもなっ……」
そんな事には頓着せず、
「うん、サイズもピッタリー!」
「おいおい……ほんとに大丈夫か?」
「うわ、信じらんない……」
喜ぶエルディを呆れたように見つめるレトとアルトに、
「……まあ好きにさせておきましょう、エルディですし」
バルニエが諦めたように溜め息をつき、
少し奥まった所にある簡素な木の扉を開けると、倉庫に出た。
レトが独り部屋に入り込み、より詳細な探索を試みる間、
途端に、無数の鼠達と目が合った。
先ほども鼠が増えているような気がしたが、
思わず短く悲鳴をあげたアルトを、
「なになにっ!?」
「どうしました?」
そばにいたエルディとバルニエが同時に振り返った。
言葉すら出て来ないアルトが震える指で示す方向を見やった2人も
「…ずいぶん……いっぱいいる、ね…」
「今までの部屋にいた分が全部ついて来ているようですねぇ……」
鼠達は今のところ、こちらに何かしかけてくる気配はない。
しかしこれだけの数の鼠がいるのに、
「おーい、どうしたんだい?」
レトが怪訝そうな顔をして戻って来たが、
「ともかく、早く他の部屋に行こうよぅ」
「そちらは何か見つかりましたか?」
レトはうなずき、
「床に扉があった。でも、魔法の鍵で閉ざされてる。
これ以上先へ進めないという事が分かった4人はそのまま広間を横
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