「でもでも、夜になってからお化け屋敷に入るのは嫌だよぉ……」
「では昼間ならいいんですね?」
「昼間……でも、やだけど……」
なかなか意見がまとまらない。行くべき場所が決まった以上、
「入って寝るー!」
と、いきなりエルディが言い出した。
「えぇっ!?無理無理、絶対無理っ!」
「そ、それはかなり無謀なのでは……」
「うん、その発想はなかったな」
さすがに全員がざわめいていると、
「違う、帰って寝るって言ったの!」
エルディが顔を真っ赤にして訂正する。
「何だ、それなら分かるよ」
「ビックリさせないでよね……」
「いくらあたしでもそんな無茶しないってば!」
「エルディならやりかねませんからねぇ」
ともかく今夜は一旦戻ってまた明日出直そうという事に話が決まり
そして何事もなく無事に宿屋へ帰り着き、
「あ、でもあたしお金持ってなーい。誰か宿代貸してー!」
またもいきなり騒ぎ出し、
「全然ないのか?」
「うん、全っ然ない!」
レトの問いかけに力いっぱいうなずくエルディ。
「どうせまた魔晶石にかえちまったんだろ」
「全く、相変わらず計画性のカケラもありませんねぇ」
「こないだ僕が貸した分もちゃんと返してよね」
3人の反応にエルディは首をかしげ、
「……借りたっけ?」
「ちょっとー!」
「おいおい、さすがにそれは覚えとけって」
「まあ、エルディですからねぇ」
「うー……あ、お姉さん、エールおかわりっ!」
「飯代も借りてんだから少しは遠慮しろっ!」
4人がそうして賑やかに食事を取っていると、
「あら、あんた達おかえりー。どうだった?」
女主人のシェーラが言いながらテーブルに近付いて来た。
4人はかいつまんで事情を話し、近隣に「呪いの屋敷」
「呪いの屋敷、ね……知ってるわよ、
顔をわずかに曇らせたシェーラに、
「んー、大丈夫そうだったよー」
エルディが気にする風もなくフォークをくわえたまま即答するが、
「大丈夫じゃないよぉ、だって誰も帰って来ないんだよ?」
アルトは未だに怯えた様子である。
「あら、でも、帰って来た人もいるわよ、確か」
「え?」
「そうなのか?」
「そうなんですか?」
シェーラの意外な言葉に全員がほぼ一斉に聞き返す。
「ええ、
そんな訳で素直にそのアドバイスに従った4人は翌日ザイアの神殿
受付で用件を告げてしばらく待っていると、
「お待たせしちゃったわね。私が北地区復興担当のドーラよ。で、
気さくな口調で聞いてくるドーラに4人が「呪いの屋敷」
「あー、はいはい、昔の話ね。それなら私じゃなくて、
ドーラが言うには、
「悪いけどちょっと待っててちょうだい、今呼んで来るから」
てきぱきとそう言い残したかと思うとドーラの姿は神殿の奥へと消
「じゃあ、私はこれで。頑張ってね」
そう言って尻尾をひるがえし、
「あなた方は、旧アーク邸について知りたいと仰るのですね」
入れ替わりに司祭が口を開く。
「まずはじめに、
そう前置きして司祭はゆっくりと話し始めた。
「神殿の調査隊のうち、私の友人であった一人だけが、
今も、隣街ローファの施療院で治療を続けているが、
「ただ、
その人は、儀式用の結界を張るのを得意としていた、
「私にお話し出来るのはこれぐらいですが」
「いえ、辛いご記憶でしょうにありがとうございました」
4人は司祭に礼を述べ、ひとまず神殿を出る事にした。
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