そう言いながらオークの陰に隠れるアルトには構わず、
「お兄ちゃん達はね、人を探してるんだ。
「誰かここに入って行った人を見ませんでしたか?」
レトの後ろからバルニエが聞くと、
「んとねー、神殿の人が何人かと……友達が2人」
「え?お友達も入って行っちゃったのか?」
「うん、ずっと前だけどね。後ねー、
その言葉にレトとバルニエが、
「それだ」
「…それですね」
と、顔を見合わせた。
「お兄ちゃん達ここに入るの?じゃあ入れる場所教えてあげるよ。
男の子はそう言って返事も聞かず歩き出す。4人がついて行くと、
「このまま真っ直ぐ行くとねー、おうちの中にも入れるよ」
生け垣の穴を指差しながら男の子は得意そうに教えてくれた。
「その代わり、中でボール見つけたら持って帰って来てね」
どうやらなくしたボールを拾って来て欲しくて入り口を教えてくれ
「あぁ、分かったよ」
レトが簡単にうなずくと、
「ありがとー。じゃあ暗くなると怒られるから僕帰るねー」
男の子はぱたぱたと手を振り、
「頑張ってねお兄ちゃん達ー。
「怖がりじゃないやいっ!」
アルトがオークの後ろから顔だけ出して怒鳴るが全く説得力がない
「じゃあ、せっかくだし早速行ってみるか」
「うん、行こー行こー!」
「ええぇ、やっぱり行くのー?」
「おや、怖がりじゃないんですよね?」
そんな事を言いつつ、生け垣をくぐり抜けると、
その先の壁には特にドアや窓は見当たらなかったが、
壁際まで近付いて行って中の様子を探ってみようとしたものの、
「うわ、真っ暗だ……こりゃ灯りがないと無理だな」
そう言って立ち止まったレトの脇を、
「えー、あたし平気だよ?」
エルディが言いながらすたすたと抜けていく。
そのまま何のためらいもなく壁の裂け目に頭を突っ込もうとするエ
「……入った人は消えちゃうんだよぉ……
本気なのか冗談なのか分からないがアルトは大真面目に怖がってい
「怖っ!それはさすがに怖い!エルディのデュラハンだな!」
「普段使わない頭でもなくなると困りますからねぇ」
「もー、みんな好き勝手な事言うのやめてよねー!」
それでもエルディは壁に頭を突っ込み、中を覗いてみた。
そこはどうやら小さな空き部屋のようだ。
目の前には板張りのがらんとした空間が開けており、
埃の積もった床の上を走り回っていた数匹の鼠が突然のエルディの
「何か見えたかー?」
「んー、あんまり何にも」
レトに声をかけられ、言いながら仲間達の方へ向き直る。
「ネズミしかいないよー。あ、ドアはあったけどね」
「…まあ、
「エルディ、大丈夫……?」
恐る恐る聞いてくるアルトに、
「うん、何ともないよ」
普段と変わらない調子であっさり答えるエルディ。
「どうします?だいぶ日も暮れてきたようですが」
バルニエの言葉通り、辺りは少しずつ暗がりに沈みつつある。
0 件のコメント:
コメントを投稿