「何がー?」
考え込みながら口を開いたレトに、
「いや、一緒に行った仲間にすまないってのは分かるんだけど……
「確かに、気になりますねぇ」
レトとバルニエの言葉にエルディも一瞬考え込んだが、
「あそこネズミいたよー。
「別にネズミならそんな怖くないと思うけど」
怖がりのアルトの意外な発言に、
「分かんないよぉ、
と、わざと両手を広げて怖がらせて見せる。
「いやいや、そんなバカな」
レトが一笑に付したが、
「案外、間違っているとも言い切れないかもしれませんがね」
バルニエは真顔でそう告げる。
「何かあるのは間違いない訳ですし」
「いや、そりゃそうだけど……お化けネズミってのはないだろ?」
「うん、呪いってアンデッドとかじゃないの?」
レトの後からアルトも嫌そうにそう付け加えた。
「ええ、私もそう思っていましたが……そう決めつけるのは早計かもしれません」「うーん、
「色々な可能性を検討してみるべきでしょうね」
バルニエとレトが話しているのを横で聞いていたエルディがアルト
「やっぱりネズミお化けなんじゃないの?」
と言い出した。
「……さっきはお化けネズミって言ってたよ?」
「どっちだっていいよ、ほら、いるでしょ、
「ヒトオオカミじゃなくて人狼……」
言いかけてアルトは「あっ」と声をあげる。
「そうかもしれない、
「ワーラット、だって?」
蛮族の一種、ライカンスロープという種族は、
「なるほど、それで誰も帰って来ないのか…
蛮族となってしまった以上は人族の社会に戻るのはまず無理だろう
しかし、
推測すればするほど謎は深まるばかりだが、
「エルディ、どう?」
「んー、やっぱり変わった物はないよー。ネズミはいるけど」
まずは前回と同じく、様子を見てみたエルディがそう告げる。
しかし、
4人はランタンに火を灯し、慎重に屋敷内に踏み込んだ。
「……気になるよなぁ」
「気になるけど……」
気にはなるが、下手に刺激するのも考えものだ。
「あっ、そうだ!」
エルディがポンッと手を打つ。
「バニッシュしてみればいいんだよ!蛮族だったら嫌がるもん」
バニッシュというのは神官の扱う神聖魔法の中でも最も簡単な物の
「じゃ、そういう事で、バルー!」
バルニエを呼びながらあっさり前を譲るエルディに、
「はいはい、いつもの事ですね」
苦笑しながら前に出るバルニエ。
そもそも神官の魔法の力としてはバルニエの方が上なので、
ともかく魔法でバルニエの手に生まれた光は確実に鼠達を照らし出
しかし、
「あれー?」
「…って事はつまり……」
つまり、これは蛮族ではなくただの鼠。
「ヒトネズミじゃなかったのかなぁ?」
「少なくともこのネズミはそうみたいですね」
「じゃあともかく先へ進もうぜ、
そう言ってレトが扉を調べ、
正面に真っ直ぐ続く廊下があり、
そして左手側にも廊下が開けており、
廊下にも数匹の鼠がちょろちょろと走り回っているが、
どうやら足跡は正面の扉の向こう側から来てこの部屋と左の部屋の
「…となると行くべきはそっちなんだが…」
一応、左のドアの向こうも見てから右へ行く事にした。
そこは先ほどの部屋よりやや広い、倉庫のようだった。
「うーん、大した物はなさそうだけどな……」
これ以上詳しく調べるなら、
0 件のコメント:
コメントを投稿